Charms of Minamiboso (3) Obon

お盆

The people of Minamiboso have their own way of honoring their ancestors during Obon holiday, usually observed in the middle of August. In the early evening, neighbors come out to a street corner and make a small fire. They sprinkle some rice and water over the fire, and chant “come, our ancestors”. Using the fire, the souls of ancestors are said to find their way “home”. Lanterns are lit and people make a casual procession among rice fields to their family graves where they offer water and incense. On the last day of the three-day obon holiday, they make a fire at the street corner again, to send off the souls.

八月中旬に行われることが多いお盆の行事、南房総地域にも独特のお盆の風習があります。夕刻のまだ明るいうち、近所の人たちが三々五々出て来て、前の辻で「迎え火」と呼ばれる小さな火をおこします。水と米をふりかけながら「ござらっしぇえ、ござらしぇえ」と、祖先の霊をお迎えします。この火を目印に、ご先祖様が帰ってくるというわけです。提灯に灯がともると、それを手に田んぼのあぜ道を通ってお墓に行き、お墓にお水とお線香をお供えします。お盆の最後の日には、また同じ辻で火をたき、「けえらっしぇえ」と、あの世にお帰りになるご先祖様をお送りするのです。

【こぼれ話】
田舎に住んでいればなにげない、こんないつもの風景も、他の国からのお客様には、とても珍しく、興味深いはずです。日本人は信仰心に乏しいなどと言ったりもしますが、こんなふうに、仏教がもとになった風習が、ときには神道と折り混ざりながら日々の生活に深く根付いていて、日本独特の先祖崇拝の形を生み出しています。こんな昔からの慣習も、「南房総の魅力」の一つですね。