モントレー日米シンポジウム その③

ゴールデンステートシアターにて

4月29日土曜日夜7時、コンバーシェンス2006式典の会場となった80年の歴史を刻むゴールデンステートシアターには、およそ800人の市民が集まりました。
直前までもてなしをうけていた小谷さんのお家から駆けつけたに本からのツアーメンバー一同、あわてて指示されたとおりに会場に入場すると、聴衆から大きくあたたかな歓迎の拍手が。舞台には司会を務めるサンディさんがタキシード姿で私たちを迎えます。
開催にあたり、カリフォルニアからは、州知事アーノルド・シュワルツネッガーほか18名から、また日本からは、堂本暁子千葉県知事、館山市の辻田実館山市長からも、祝辞が寄せられました。
続いて、「100年にわたる協力関係」と題して、ライドン教授が、南房総とモントレー湾地域の人々の交流を紹介しました。そして、今回の交流のシンボル「モントレー潜水アワビ漁万祝」が、照明に浮かび上がり紹介されると、満場の拍手が。この寄贈の仲人役となった鈴木政和さんらが壇上に招かれ、万祝の寄贈者である栗原氏からのメッセージを伝えました。

和太鼓の勇壮なパフォーマンスのあと、第二部として地元のカブリオ少年少女合唱団60名が登場しました。カブリオ大学の音楽教授が、この日のために指揮をとってきた合唱曲の数々、「さくら」「赤い靴」など6曲が、きれいな日本語で披露されました。

「青い目の人形」の歌に先立ち、約100年前、おじいさんがモントレーに渡ったアワビダイバーだった岩田美代江さんが、手作りの市松人形を抱えて舞台に登場、モントレー博物館に寄贈しました。
そして、「青い目の人形」の語り部、館山市の松苗禮子さんが、ホームステイ先のセイコ・ジャブリさんの通訳で、戦前、平和を願って贈られた青い目の人形使節の逸話を語りました。胸を打つ語りに、日本人も、アメリカ人も、会場一体となって聞き入りました。

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フィナーレには、会場が一体となって「青い目の人形」を日本語で合唱して、「コンバージェンス2006:アワビコネクション」の幕が閉じました。

終わりに
「当時としては極めて稀なことだが、A.M.アレン、小谷源之助、アワビステーキを普及させたポップ・アーネストは、国籍や言葉の壁を超えて、信頼と友情を育て、パートナーシップを築いた」と、ライドン教授、博物館歴史家トーマス氏は語ります。
今回は、のべ1800名以上の方が、4月28・29日にわたり、モントレー湾地域の三ヶ所の会場で、「コンバージェンス2006:アワビコネクション」に参加しました。モントレー地域のみなさん、そして今回ツアーに参加したメンバーも、そうではなかった皆さんも、関心をよせる私たち全てが関わり、こころからの平和な交流を願う事で、モントレー南房総コネクションは、過去をたどる旅であると同時に、未来をも築いていくことになるのでしょう。(完)
次回からは、シンポジウム後のツアーの模様を報告します。