(8) Don’t work too hard!

手元にあるアメリカの慣用表現集には、「人と別れるときに、さようならなどの代わりに言う言葉」とあります。日本的な感覚だとつい「がんばってね!」というような時に、英語感覚なら「無理をしないでね」「働きすぎるなよ」、まさしくこの言葉がぴったりなわかです。お盆も休まず働き過ぎの人にはぜひ言ってあげましょう!

モントレー2006 旅のハイライト(2)

ハイライト3)5/1 レイ家でのディナーパーティ
前述の小谷家にしてもそうですが、こちとら30人の団体を簡単に「お夕食にどうぞ」といってくれる、アメリカ人のお家とは、はたして?興味津々。その興味の対象は、昨年9月に館山を訪れ、すっかり日本ファンのナンシー&ロブ・レイ夫婦。りんごの花咲き乱れる果樹園の間の道をしばらくすすんで到着したご自宅は、いやはや、、、新緑も美しい大木がロータリーの真ん中に立っています。車をおりて外階段を上っていくと右手にプール、左手にはテラス、そして、玄関を入ってみれば、立食なら40人が充分に収容できるリビングルーム、カウンターのついたキッチン、その奥にダイニングルーム、、、「すごい!」という言葉しか出てきませんでした。日本びいきのおふたり、調度品はあちこちにその日本趣味をうかがいしることができます。
日本からのツアーメンバー一行、言葉の壁もなんのその、みなとても積極的にコミュニケーションをとり、あちこちで会話がはずみます。まるで映画の中の「ホームパーティ」のような光景です!
テラスにはえさ箱がおかれ、はち鳥がえさをついばみにきます。カリフォルニア大学サンタクルーズ校のスクールマスコットだという黄色い大きなナメクジにもお目にかかりました。
過去のモントレートリップ参加者の砂賀三佐子さんより預かってきた古い留袖をナンシーさんとサンディさんの奥さんのアニーさんにプレゼントすると、こんなに喜んでもらっていいのかしら、というくらいの喜びよう。若佐さんと溝口母の着付けでドレスアップした二人が登場し、パーティはクライマックスを迎えたのでした。
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ハイライト4)5/2 ドックリケッツのラボでのパーティ
ツアーの事前勉強会で真面目にスタインベックの「缶詰横町」を読んでいった方は、十分その感動を味わっていただけたのではないでしょうか?そうではなかった方も、この風変わりな趣味人向けの小屋がもしかしてただの小屋ではない、ということを感じ取っていただけたかもしれません。スタインベックが小説の登場人物「先生」のモデルとしたエド・リケッツ。通常は公開していないその「先生」が実際に住んでいた建物を、今回私たちのために特別に公開。しかもただの見学ではなく、バーベキューパーティ会場として提供してくれる、というもしもあなたがスタインベックファンだったら卒倒するくらいすごいこの特別のはからいは、海洋博物館ティムさんの尽力によるものでした。
初日のウエルカムパーティでも腕をふるってくれたマークとクリスが今夜も大活躍。そのBBQのお肉やピーナッツバターソースのおいしかったこと!しかしなんといってもこのパーティのハイライトは、サンディさんのデモンストレーションによる「ビールミルクシェーク」の試飲会でした。詳しくは、どうぞスタインベック作「缶詰横町」をご参照ください!
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ツアー中、実に、実にたくさんの人たちのお世話になりました。感謝してもしきれません。こんなにあたたかいおもてなしを受けたのも、昨年9月、館山でのツアーでお手伝いしてくださった皆さんがあったからです。
そして、こちらの私たちを、あちらの友人たちと引き合わせてくれたのは、自らを「go-between - ナコウド」と自称する、サンディさんだということには、みなさんご賛同いただけるのではないかと思います。これからも、さらなる南房総とモントレーのすばらしい関係の継続を願って、我らがサンディさん、バンザイ!

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(7) I’m fed up with it!

「もうたくさん!」

Fedはfeed(エサを与える、食べさせる)の過去分詞。たくさん食べさせられてうんざり、という感じですね。ちょっと前まで、まだ梅雨にもならないのに雨ばかり、I was fed up with the wet weather.「じめじめした天気はうんざり」でした。辞書を引くのに慣れないと単語を一字一字引いてしまいがちですが、単語だけと、そのあとにつながる前置詞などで構成される熟語とでは、意味が違ってくることが多いですね。動詞のあとの前置詞は、もしかしたら熟語かも、と疑ってかかって辞書を引きましょう。見つけたら、「文の中ではどう使われるのかな」、例文のチェックも忘れずに。

モントレー2006 旅のハイライト(1)

4月27日から5月5日まで、南房総よりシンポジウム「コンバージェンス2006」に合わせ、総勢30名がカリフォルニアを訪れました。
書ききれないほどの感動の連続のツアーでしたが、その中でも特に印象に残ったところをピックアップし、ご報告したいと思います。
また、シンポジウムの報告は、別途すでに掲載してありすので、そちらをご覧ください。

ハイライト1):4/29 小谷家へご招待されてきました。
モントレー市内から車で南へ15分ほど、カーメルハイランドという高級住宅街の一角、海を見下ろす高台に、小谷源之助の孫、マリリンさんの自宅がありました。マリリンさんと妹のユージーニさんが中心となり、小谷家の人々が一同に会し、私たち30人以上の一行を手作りの日本食でもてなしてくれました。源之助の子どもにあたる国子さん、房子さん、マリリンのお母さんで源之助の息子のお嫁さんになるフミエさんも、車椅子でしたがわざわざ私たちの為に集まってくださいました。e0093807_11261072.jpge0093807_11342080.jpg

のり巻きやひじきの煮物、お煮染めののった紙皿をなにげなく置いたそのディナーテーブルが、源之助の時代、あわびダイバーたちが彼らの食堂で使っていたものと聞かされ、歴史がとても身近に感じられた瞬間でした。
シンポジウムのプログラムとプログラムの合間の、たった2時間ほどの滞在、後ろ髪を引かれながらのおいとまでした。

ハイライト2):4/30 ワイルダーランチでカウボーイになりました。
シンポジウムという大イベントが前日に終了し、訪米初日以来の美しい青空に恵まれたせいもあり、みな緊張もとけ、なんとなく晴れやかな笑顔。この日訪れたワイルダーランチでは、1900年西部のカウボーイの時代へタイムスリップ。入り口で、昨年9月に館山を訪れたチャーリー&パット・キーファーご夫妻が、その当時の衣装に身を包んで迎えてくれました。e0093807_1126545.jpg私たち一行も独り残らずこの時代の帽子をおかりし、西部開拓気分も盛り上がります。さらにバンダナまでプレゼントしていただき、首にまいてみるとなんだか本当のカウボーイみたいにみえてきた人たちも、、、。青空のもと、木々の緑とカリフォルニアポピーのオレンジが鮮やかに映えます。お昼は牧場内で昔ながらの製法のメキシカンタコス。自分たちで平たくつぶし、鉄板にのせて焼きます。中にくるむのはサボテンの肉入りのソース。美味です。そよ風のふく戸外で、目にまぶしいほどの緑に囲まれていただきますから、ますます美味です。でももっと美味だったのは、チャーリーの奥さんパット手作りの6種類のデザート!がんばって全種類味見した人もいたようです。
食後は牧場内の簡単なツアー。すべて水力を動力とした牧場内の設計の見事さにみんな感服。最後にはチャーリーの投げ縄術を伝授してもらいました。西部開拓時代を大満喫した一日でした。(つづく)
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モントレー日米シンポジウム その③

ゴールデンステートシアターにて

4月29日土曜日夜7時、コンバーシェンス2006式典の会場となった80年の歴史を刻むゴールデンステートシアターには、およそ800人の市民が集まりました。
直前までもてなしをうけていた小谷さんのお家から駆けつけたに本からのツアーメンバー一同、あわてて指示されたとおりに会場に入場すると、聴衆から大きくあたたかな歓迎の拍手が。舞台には司会を務めるサンディさんがタキシード姿で私たちを迎えます。
開催にあたり、カリフォルニアからは、州知事アーノルド・シュワルツネッガーほか18名から、また日本からは、堂本暁子千葉県知事、館山市の辻田実館山市長からも、祝辞が寄せられました。
続いて、「100年にわたる協力関係」と題して、ライドン教授が、南房総とモントレー湾地域の人々の交流を紹介しました。そして、今回の交流のシンボル「モントレー潜水アワビ漁万祝」が、照明に浮かび上がり紹介されると、満場の拍手が。この寄贈の仲人役となった鈴木政和さんらが壇上に招かれ、万祝の寄贈者である栗原氏からのメッセージを伝えました。

和太鼓の勇壮なパフォーマンスのあと、第二部として地元のカブリオ少年少女合唱団60名が登場しました。カブリオ大学の音楽教授が、この日のために指揮をとってきた合唱曲の数々、「さくら」「赤い靴」など6曲が、きれいな日本語で披露されました。

「青い目の人形」の歌に先立ち、約100年前、おじいさんがモントレーに渡ったアワビダイバーだった岩田美代江さんが、手作りの市松人形を抱えて舞台に登場、モントレー博物館に寄贈しました。
そして、「青い目の人形」の語り部、館山市の松苗禮子さんが、ホームステイ先のセイコ・ジャブリさんの通訳で、戦前、平和を願って贈られた青い目の人形使節の逸話を語りました。胸を打つ語りに、日本人も、アメリカ人も、会場一体となって聞き入りました。

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フィナーレには、会場が一体となって「青い目の人形」を日本語で合唱して、「コンバージェンス2006:アワビコネクション」の幕が閉じました。

終わりに
「当時としては極めて稀なことだが、A.M.アレン、小谷源之助、アワビステーキを普及させたポップ・アーネストは、国籍や言葉の壁を超えて、信頼と友情を育て、パートナーシップを築いた」と、ライドン教授、博物館歴史家トーマス氏は語ります。
今回は、のべ1800名以上の方が、4月28・29日にわたり、モントレー湾地域の三ヶ所の会場で、「コンバージェンス2006:アワビコネクション」に参加しました。モントレー地域のみなさん、そして今回ツアーに参加したメンバーも、そうではなかった皆さんも、関心をよせる私たち全てが関わり、こころからの平和な交流を願う事で、モントレー南房総コネクションは、過去をたどる旅であると同時に、未来をも築いていくことになるのでしょう。(完)
次回からは、シンポジウム後のツアーの模様を報告します。