翌日15日は、安房博物館訪問と沖の島無人島探検を体験した後、千倉へ向かいました。千倉町千田地区は、小谷源之助の弟、仲治郎が在住し、数多くのあわびダイバーがモントレーへ出かけた地です。国道でバスをおり、田んぼのあぜ道を歩いて、仲治郎をはじめとする多くのダイバーたちが檀家であった長性寺へ向かいます。田んぼをぬける風が気持ちよい、海を見下ろせる南房総の田園風景を満喫できるウォークです。
長性寺では、高梨住職をはじめ、檀家のみなさんが一行を迎えてくださいました。まずは仲治郎と平野家の墓へお参り。一行はこのツアーに先立ち、モントレーで源之助のお墓も参ってきたのだそうです。住職がお経を唱える中、ひとりずつお線香を手向けました。その後本堂へあげていただき、ご用意くださったお菓子や空豆をいただきながら歓談のひととき。100年前に海を渡った仲治郎やダイバーたちに思いを馳せました。お寺をおいとましてから、南房総戦跡保存・活用フォーラムの鈴木さん、林さん、飯塚さんの案内で、千田地区を歩いて巡ります。そこここにダイバー出身の家や墓地が点在しています。
この日は千倉の旅館(魚拓荘鈴木屋さん)でのあわびディナーでしめくくりです。実はこの日のため、モントレー海洋博物館のティム・トーマスさんから「ポップ・アーネスト」あわびステーキのレシピを入手。鈴木さんにお願いし、ツアー一行向けに特別に準備していただきました!魚拓荘の鈴木さん曰く、「このレシピ、これからうちのメニューにいれさせていただきます」。100年前、ポップアーネストがアメリカ人の口にも合うこのレシピを考案し、源之助の経営するあわび加工工場にあわびの販路を開いたのです。米国でおきた反日運動にも堪え抜いた、日米間の共同協力作業と友情のもうひとつのシンボルです。これから魚拓荘鈴木屋さんでこのステーキを召し上がるお客様が、100年前のモントレーと南房総の関係について、ちょっとでも関心を寄せてくださったら、うれしいですね。
魚拓荘鈴木屋さん http://www.gyotakuso.com/ 「さざえのつぶやき」ブログに、あわびステーキについて書いてくださっています。